こんにちは。

BEERISTA.TOKYOインターンの加藤香苗です。

大学では醸造学や微生物学を学んでおり、ビールがだいすき!な大学生です。

 

今回は、BEERISTA.TOKYOの新たな特集テーマであり、ビールの重要な原料のひとつである「水」について、私が授業で学んだことをもとにノートに沿って解説させていただきます。

どうぞ今回もビール片手に、足を崩してお気軽にご覧ください。

 

 

ビールを造るのに必要な水の量は 10~20 倍!

みなさん、ビールに含まれる水分量、いったいどれほどの量かご存知ですか?

飲み物、というくらいですから、きっと多いんだろうな、とは想像がつくとは思いますが、食品成分表に基づくピルスナータイプのビールの水分は約 92 %です。

ちなみに、人間の身体の 60 %以上が「水」でできています。そのなかの一部がビール由来の水分かもしれない、と思うとちょっとわくわくしますね。(?)

 

ビールの 9 割以上を占める「水」ですから、もちろんビール製造にはたくさんの水が必要となります。

では、 1 リットルのビールを製造する際、必要な水の量はどのくらいでしょうか。

実際には1リットル単位でビールを製造することはありませんが、 1 リットルのビール製造に必要な醸造用水は 10~20 リットルです。つまり、出来上がりのおよそ 10~20 倍もの水が必要です。

主な用途は原料である大麦を下ごしらえするための製麦用水、ビールを仕込むための醸造用水、加熱するためのボイラーの温度調節に必要なボイラー用水、タンクや仕込み用の道具、醸造所をきれいに保つための洗浄用水、温度管理でタンク内の温度を冷やすための冷却用水です。

 

 

これらは最終製品のなかに含まれる、つまり、人の口に入る水と口に入らない水の区別ができます。口に入る仕込み水などは飲料水としての条件をクリアしていることも重要なことです。

 

 

軟水と硬水の違いはミネラルの含有量の違い

ビール製造に用いられる水にとって最も重要なことのひとつに「硬度」が挙げられます。

硬度とは「水1リットル中に溶けているカルシウムやマグネシウムの量」を表した数値です。つまり、水の中のカルシウムやマグネシウムの含有量が多いほど、硬水であり、少なければ軟水ということです。

(※硬度の表記の方法にはドイツ硬度とアメリカ硬度がありますが、以下の記事ではアメリカ硬度を前提に進めていきます。単位は「mg/L」または「ppm」です。)

 

ピルスナーの発祥の地といわれるチェコのピルゼンの水質は 0~70 mg/Lと非常に軟水です。日本の水の硬度は 53~89  mg/L程度ですから、ピルゼンの水は日本と同じ程度の軟水です。この軟水が黄金色のピルスナータイプのビール醸造に向いているのです。ガブガブ飲める、独特の軽さは仕込み水由来だといわれています。一方、ドイツのミュンヘンでは 267 mg/L程度で硬水と言えるでしょう。このような硬水はダークラガーといった麦芽の風味を引き出すようなビールに向いています。ちなみに、 267 mg/L以上の硬水を見つけるのは日本では結構難しいです。

つまり、日本では当たり前にある軟水ですが、ヨーロッパの中ではピルゼンの軟水はとても珍しいのです。

 

では、この「水」の硬度がビールにとって、どんな影響をあたえるのでしょうか。

 

「水」の硬度がビールの色の決め手!

一般に硬水には重炭酸イオンが含まれています。硬水でビールを製造すると麦芽穀皮からタンニンなどが溶出し、濃い色のビールになります。反対に軟水でビールを製造すると、それらの溶出が少なくなり、薄い色のビールになります。

つまり、ビールの色は水の硬度で決まるのです!

ブルワリーの使用する水が、造りたいビールにふさわしくない水質だった場合、ミネラルを加えて無機塩水を造ることもあります。

 

他にも水に含まれるイオン類は、麦芽由来の酵素を安定化させたり、発酵を担う酵母の育成を抑制したりすることもあります。時には、雑味や苦味を少なくして、ビールをマイルドな味わいにし、口当たりをよくすることも。

 

 

「水」が与えるビールへの影響はとっても大きいといえるでしょう。

これから、特集でさまざまなビールにまつわる「水」の話が公開されます。

「水」特集の記事に要注目ですよ!お楽しみに。

 

では、最後までご覧いただきありがとうございました!

 

さて、今夜のビール何にしようかな? なんて方には、#きょうのビール🍺 おすすめです。

BEERISTA.TOKYO のトップページにて富江弘幸さん執筆の BEER CALENDAR を 2017 年バージョン(実は書籍の発売は2015 年だったので暦をアップデートしています!)にして日替わり更新をしています。その日ごとの「○○の日」にかけて、世界中のビールを紹介しておりますので、是非毎日チェックしてみてくださいね。

 

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是非ご覧ください♩

加藤香苗でした!