BEERISTA.TOKYOをご覧の皆さん、初めまして。

BEERISTA.TOKYOの中でインターンの 加藤香苗と申します。

普段は大学で、醸造学や微生物学を学んでいる大学生です。

 

今回は、BEERISTAの特集で、「菌」がありますが、ビールに関わる「菌」といえば、酵母です。

増殖過程の酵母の顕微鏡写真

 

この特集で公開されたインタビュー記事の「菌に魅せられたブルワー〜伊勢角屋麦酒 金澤春香さん〜(前編)(後編)」の中でも紹介されているように、酵母には本当にたくさんの種類があります。普段生活していたら、意識もしない微生物ですが、実は酵母ってすごいんだ!ってことをお伝えできたらと思いますので、是非足をくずして、ビール片手にご覧いただけたらうれしいです。

 

 

ビール酵母の役割はアルコールをつくることだけではない!

 

ビール酵母っていったい何者なの?

はい。一番のそもそもの疑問です。

ビールには酵母が欠かせません!だとか、酵母入ったままのビール!だとか。ビール好きなら、一度は耳にしたことがあるであろう「酵母」。

聞いたことはあるけれど、じゃあ、酵母って何してるのよって話です。
酵母はアルコールがつくりたくて、糖を栄養としている訳ではないのです。酵母も生き物。

生きるために、栄養を摂っていたら、アルコールが出ちゃった!そんな感じです。

アルコール発酵

醸造家たちは、目に見えないこの酵母を育て、元気よくアルコールをつくるか、環境を整えてあげることで、酵母をコントロールし、ビールを造っているのです。

先ほども言いましたが酵母は生き物です。寒かったり、暑かったりすると元気がなくなり死んでしまう可能性もあります。美味しいビールを造るためには、この酵母のコントロールが一番のポイントです。
ビール醸造の中での酵母の役割は、実は、アルコールを造ることだけではありません!
私たちには見えないのですが、実はいろんなところに酵母はいます。自然界の中では、植物や土、もちろん大気中にたくさんいます。(これを野生酵母といいます。)

ひとくちに酵母と言っても、酵母にも得手不得手があります。パンを造るのに適した酵母もいれば、ワインに適した酵母もいますし、もちろんビールを造るのが得意な酵母もいます。ビール酵母は、ビールを造るのが得意な選ばれし酵母なのです。

こんなところも人間みたいで、親近感が湧いてきますね。

 

酵母にはいろんな子がいるよっていうことが分かったところで、次にビール酵母の種類を紹介します。

 

 

上面発酵と下面発酵の違いは使う酵母によって変わる

 

上面発酵と下面発酵。

この言葉も、ビール好きな皆さんなら、一度は聞いたことがあるでしょうか。

漢字が沢山ならぶとちょっと威圧感がありますね。こわい。

ではでは、さくっと説明してみますね。

 

上面発酵…上面発酵酵母を使用し、20度前後のやや高めの温度で発酵を行います。発酵中に酵母が浮上し、液面に酵母の層ができることからこのように名付けられました。フルーティーな香りが特徴で、エールビールを造るときに使われます。それゆえ、エール酵母とも呼ばれます。

 

…下面発酵酵母を使用し、10℃前後の低温で発酵を行います。発酵が終わると酵母がタンクの底に沈降することがこの名の由来です。下面発酵酵母はデンマークで見つけられました。世界的に主流となっているビールは基本的にはこのタイプ。ラガービールを造る際に使われることから、こちらはラガー酵母とも呼ばれます。

 

…はい。ちょっと難しい。

 

上面発酵と下面発酵
エールビールは特徴的な香りがあり、ラガービールはのどごしすっきりで、飲んだ後のキレが特徴的です。

(もちろん、要素は酵母だけでなく、原料水や麦芽、ホップなどにもよります)

皆さんのお気に入りのビールは、上面発酵でしょうか?下面発酵でしょうか?ビールのタイプでわかるので、ちょっと調べてみるのもたのしいですよ。

 

ちなみに、日本で「とりあえず、生!」でおなじみの生ビールは、下面発酵のピルスナータイプです。

 

 

酵母にだって「好き嫌い」はある

 

最後に豆知識。

酵母は糖を栄養にするってお話をしましたが、実はアミノ酸も栄養素として必要です。

そのアミノ酸、酵母が栄養にする順番があるんですよ。
このアミノ酸がすき!だから、一番最初にたべちゃう!そんな感じです。

一番すきなアミノ酸がなくなるまで、二番目にすきなアミノ酸をたべることはありません。

ショートケーキはイチゴから食べるか、スポンジから食べるか、そんな話です(笑)

アミノ酸の中でも、ビールのオフフレーバー(一般的に不快臭と言われる)の原因となるものもあるため、この酵母の性格もビール造りの大きな要因といえるでしょう。

 

酵母ってややこしそうでよくわからないと思われがちですが、実はやっぱり人間と似ている部分があるのですね。

 

さあさあ、皆さん、いかがでしたか?

今回は菌特集ということで、ビール酵母の基礎知識について書きました。

 

ビールの構成要素は酵母だけではありません。ホップも水も原料の大麦も、大切な要素です。

ビールのこんなことが聞きたい!なんてことがあれば、是非ご連絡くださいね。

皆さんからの感想、お待ちしております!

 

少しビールの知識が深まったところで、お気に入りのビールで乾杯!しましょう。

今夜のビール何にしようかな?なんて方には、きょうのビール おすすめです。

BEERISTA.TOKYOのトップページにて富江弘幸さん執筆のBEER CALENDARを2016年バージョンにして日替わり更新をしています。その日ごとの「○○の日」にかけて、世界中のビールを紹介しておりますので、是非毎日チェックしてみてくださいね。